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きずなカフェでは、医療関連や法律関連を始めとした、様々なお役立ち情報を配信しております。
是非ご一読ください。

「あなたの土地、高く売れますよ!」 〜 心のすきまに入り込む詐欺業者には気をつけて!〜

泉 希望子(いずみ きみこ)弁護士

「あなたの土地、高く売れますよ!」
~心のすきまに入り込む詐欺業者には気をつけて!~

「あなたが35年前に購入した北海道の原野をほしいと言っている人がいます。」
「青森の土地を外国人が購入していて、近々値上がりするから、高く売れます。」

将来の値上がりの見込みがないような山林や原野などの土地を、値上がりするかのように偽って販売する被害(原野商法)が、1970年代から1980年代にかけて、社会問題となっていました。
あれから、35年以上が経ちましたが、「土地が高く売れる」などとのセールストークをされ、土地が売れると思って土地の売買契約をしようとしたところ、測量サービスや伐採サービスなどの契約や、新たな土地の契約などをさせられ、費用を請求されるという二次被害トラブルが、現在でも横行しています。

価値のない土地を買わされたことに気付いているはずなのに、「土地を買いたい人がいる」「高く売れる」と勧誘され、再度、騙されてしまうのはなぜでしょうか。

1つには、高齢者となり、そろそろ「終活」もしなくては、と考えていたところ、昔購入した原野を思い出し、「この土地をどうにか処分できないか」、「相続の際、自分の子どもらに迷惑をかけるのでないか」との不安や焦りを感じていたところに、詐欺業者から、「今なら高く売れます」などといって、巧みにその不安や焦りを煽られることがあげられます。

そして、詐欺業者は、電話や自宅訪問をし、高齢者に対し、親切に話しかけたり、話をじっくり聞いたりします。そうすると、ひとり暮らしで、普段、孤独と向き合っている高齢者は、孤独を癒やされた気持ちになります。詐欺業者は、そういった高齢者の心のすきまに入り込み、高齢者に、好意をもって、親切にしてくれたことに対して、誠意をもって対応しなければという気持ちにさせるのです。

詐欺業者は、高齢者の孤独感や親切心等をうまく利用するシナリオを作り、高齢者の気持ちを巧みに掴み、一度心を掴まれてしまった高齢者が、騙されていることに気付くのは容易ではありません。

騙されまいとしていても、詐欺業者の勧誘は巧みです。常に次のようなことを心がけて、悪徳業者に騙されないように気をつけてください。
①「高く売れる」などのうまいセールストークをうのみにしないこと。
②留守番電話などにすることによって、知り合いからの電話しか出ないようにすること。断っても執拗に電話を切らない場合には、相手が話している最中でも、電話を切ってしまいましょう。
③契約を検討する場合には、まずは、土地の登記情報を法務局で確認すること。そして、できる限り、自分や家族等信頼できる人の目で、実際に土地の現況を確認すること。
④土地の所在する自治体などに、業者が説明している根拠や背景が事実としてあるか問い合わせること。
⑤業者に対して、土地が高く売れることの具体的な根拠や契約内容等について書面で説明を求めること。

高齢者を「食い物」にする詐欺被害は後を絶ちません。おかしい、よくわからない、いつもと違うことが起こったと思ったら、民生委員やケアマネージャー、地域包括等日頃からお世話になっている人に相談しましょう。そして、不審な点があれば、消費生活センター(消費者ホットライン188)や専門家(弁護士)にすぐに相談を!
「あなたの土地、高く売れますよ!」 〜 心のすきまに入り込む詐欺業者には気をつけて!〜
弁護士 泉 希望子(いずみ きみこ) プロフィール
平成21年弁護士登録
愛知弁護士会消費者委員会所属
サクラサイト被害弁護団、カネボウ白斑被害弁護団など多数の弁護団に所属。

所属事務所:名城法律事務所春日井事務所
         愛知県春日井市松新町1-4ルネック2階
         Tel:0568-27-8784

「デジタル終活の注意点ーーポイントは残すものと削除するもの」

 拓殖大学非常勤講師 塚越健司

人生の終わりをどう迎えるか。誰もが直面するこの問題に対して、最近は就職活動=就活になぞらえて「終活」といった言葉が用いられるようになってきました。この終活、特にデジタル領域では注意すべき点が多いこともあり、今回はデジタル終活の注意点について述べていきたいと思います。

(1)残したいデータの管理
デジタル終活が通常の終活と異なる点は、デジタル情報は意識しなければ「消えてしまう」という点です。銀行口座や株式などは通常、書類として残るため遺品管理ができますが、最近はインターネット上だけで管理できる銀行口座や株、仮想通貨といった資産も多くあります。これらは紙の書類でリストをつくっておかなければ、せっかくの資産の所在が不明となってしまいます。

さらに、インターネットやハードディスクに残した情報は、パスワードなどを用いなければ他者が閲覧できないものが多くあります。上述の資産のリストに加えて、それらを閲覧するためのパスワードなども紙で残すなど、自分の死後に他人に伝えられる手段を確保することも重要です。そうでなければ、せっかくインターネット上に資産があることがわかっても、その情報にアクセスできないか、できるとしても相当の手間がかかってしまいます。

(2)残したくないデータの管理
一方、死後であっても他人には見られたくないものもありますよね。数年前にある雑誌が行ったアンケートによれば、20代、30代の女性は恋人や配偶者が亡くなった際に、彼らの携帯電話などを見る、と答えた人が7割を越えていました(https://nikkan-spa.jp/607908)。人間である以上他人の秘密はみたくなるもの。もし自分に隠し事がなかったとしても、残したくない情報は消去しなければならないと感じる人は多いと思います。

特に携帯電話には、メールや写真、さらには動画など、多くの個人情報が集積しています。携帯電話にはパスワードをかけることもできますが、それでも完全に情報をシャットアウトすることは難しいでしょう。頼れる人に向けて、自分の死後にデータの消去を依頼しておくのもひとつの手です。
様々な理由で知り合いに頼まない、という人には、死後のデジタルデータの管理を行う民間業者を利用するのも一つの手です。死後にデータを保存しておいてもらったり、逆に不必要なデータを削除してもらうように指定しておくこともできます。料金などは業者によってまちまちですが、気になる方は調べてみることをオススメします(筆者は特定の業者を支援する立場にはありませんので、こちらで特定の業者を紹介することは控えさせていただきます)。

◾終活に役立つ情報
最後に、終活に役立つサービスについて紹介したいと思います。

まずデジタル遺品の管理については、こちらのサイトに簡単な管理方法が説明されています(https://www.lxxe.jp/)。デジタル遺産メモがダウンロードできるなど、生前準備の方法が記載されています。

次に「日本デジタル終活協会」というサイトもあります。(http://digital-shukatsu.net/)。こちらは弁護士が主催しているサイトで、セミナー等も開催されています。終活についてより詳しく知りたい、という方には参考になるかと思います(ただしセミナー参加には料金がかかります。)。

また、近年ではフェイスブックなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用する方も増えてきました。中でもフェイスブックには、自分の死後にアカウント(自分の情報)の管理人を指定できる「追悼アカウント管理人」設定項目があります。友人等を管理人に指定することで、自分のアカウントの削除を依頼することもできますし、逆に亡くなってもアカウントが閉じられることなく、命日などに友人たちから記念の書き込みができたり、思い出の画像を閲覧することもできます。こうすれば、死後も人々が自分のことを思い出す機会が増えることになります(フェイスブックのページにも説明があります。https://www.facebook.com/help/103897939701143)。

以上終活について説明してきました。終活に対しては様々なご意見があるかと思いますが、死後の遺産や個人情報の管理など、気になる方は参考にしていただければ幸いです。
「デジタル終活の注意点ーーポイントは残すものと削除するもの」
塚越健司(つかごし けんじ)・プロフィール
1984年生。拓殖大学非常勤講師。専門は情報社会学、社会哲学。インターネット上の政治運動の研究をはじめとして、コンピュータと人間の関係を哲学、社会学の視点から研究している。著書に『ハクティビズムとは何か』(ソフトバンク新書)。TBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』火曜ニュースクリップレギュラー出演中(https://www.tbsradio.jp/dc/)。

高齢者が巻き込まれるネットの闇 出会い系「サクラサイト」被害

石渡幸子 (いしわたり・ゆきこ)弁護士

「あなたのような方に出会えて、僕は本当に幸せです!」
「●●さんのアドバイスで、私は救われました。私の恩人です!」
 こんな言葉、人生で何度、あなたは言われたことがありますか?
 たとえばメールの文字であったとしても、言われたら嬉しい言葉には違いありません。
 それが、以前から気にかけていて、自分が転職相談や人生相談にのってあげていた若者から言われたのであれば、なおさら充実感や満足感で、言葉の魅力も輝きます。

 ただし……そのメール相手、ホンモノですか??

 “出会い系”といわれるサイトなどで、一般利用者に扮した「サクラ」が、巧みなやりとりを通して、相手をその気にさせ、利用料などをまきあげていく――そんな「サクラサイト」が社会的に問題となってから、しばらくたちます。そして、この被害はまだまだ健在で、残念なことにその魔の手は高齢者にまで伸びているのです。
 高齢被害者の特徴は、何より被害金額が高額であること。
 その額、数百万円から数千万円にまで! 全財産をむしり取られて、家まで失う羽目になる人もいるほど、実にひどい被害です。
 しかも、騙されるのは、真面目な人や面倒見の良い人で、以前に看護師さんや学校の先生、会社の役員などをしていた方々も多いのです。困った人に手を差し伸べるという善意――そこにつけこむ、許せない詐欺被害。それが、サクラサイトです。

 それにしても、どうして高齢者のサクラサイト被害が増えてきたのでしょう? 
 理由には、高齢者でもネット利用頻度が高くなるにつれ、本人が知らない内に、“出会い系サイト”に誘導されてしまっている……といったネット環境にあります。
 そもそも、サクラサイト詐欺に遭う方の相当数は、自分で出会い系サイトに登録したのではない、アドレスを盗まれた方々なのです。
 そして、あなたを頼って、慕って、メールのやり取りしていた相手の正体は、実在の人ではなくて、機械ソフトが作り上げた架空のキャラクターだったり、時給で雇われたアルバイト! 

 たとえば、仲間との連絡用に、無料メールを利用したり、海外旅行や競馬や株のリサーチにサイト検索を駆使したりしている方も多いでしょう。また、無料の懸賞サイトや占いサイトも、人気があったりしますよね。
 しかし、『無料』と称する占いサイトやアルバイト応募サイト、懸賞サイト等の中には、アドレスや個人情報を入手してデータとして、これら出会い系サイト業者に売りつける『名簿屋』、『広告業者』が存在します。
 うっかり、無料サイトだと思って不用意にアンケートに答えたりアドレスを教えたりすることは十分気を付けましょう。

 皆さんの周りには、深夜や早朝といった不自然な時間に、取りつかれるようにして携帯やパソコンをいじっていたりする人はいませんか? また、部屋やゴミ箱の中に、コンビニで高額の電子マネーを購入したレシートがあったり、ATMで使途不明な振込をしていたりする痕跡がないでしょうか。これらはいずれも、サクラサイト被害者に多く見られる特徴です。

 おかしいと思ったら、その人に直接確認するだけでなく、消費者センターなどにご相談をしてください。「188」――この番号で、お近くの消費者センターにすぐ相談を!
高齢者が巻き込まれるネットの闇 出会い系「サクラサイト」被害
石渡幸子 (いしわたり・ゆきこ)弁護士 プロフィール
東京弁護士会所属。サクラサイト被害、リース被害や投資用マンション被害などを扱う弁護士の専門集団クレジット・リース被害対策弁護団所属。サクラサイトの不法行為責任や役員責任を認めたフロンティア21事件、ウイングネット事件などを扱う。
事務所名:土曜会法律事務所