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【第7回】「ぼけない人々」

浴風会病院精神科医 須貝佑一

 浴風会病院で物忘れの集団検診をはじめて8年たちます。受診者は延べ760人に達しました。受診者の平均年齢は78.6歳。健診で発見された認知症は受診者の約7.5%でした。ほとんどが、初期状態の認知症でした。
 
 ところで、この健診で不思議な現象がみつかったのです。頭部X線CTではっきりとした脳萎縮があり、アルツハイマー病が発症していると思わせるのに認知力テストで満点をとる高齢者が相当数いたのです。この方々の普段の生活を詳しく尋ねました。ほぼ全員が長く続けている趣味、運動、学習をしていました。
 
 その一旦を紹介すると「山歩き月1,2回。植物観察しながら散歩を20年来」「園芸、菊作り20年。ゲートボール10年続けている」「社交ダンス、卓球週1回、9年間。最近男の料理教室に通っている」・・・。ほとんどの人が自分の生活習慣に取り込んでいました。偶然とは思えません。そこには認知症予防の重要な手がかりが潜んでいました。

 認知症の数は460万人と推定されています。その7割近くがアルツハイマー病です。この病気に関してだけは、原因の一端が明らかになってきています。原因は脳にアミロイドβたんぱくという塊が溜まりだし、それがタウという異常な脳内タンパクを作りだして神経細胞を死滅させてしまうのです。予防や治療の目標は脳にアミロイドβたんぱくを溜めないことです。何がβたんぱくの蓄積に抵抗力を持つかもわかってきました。
 
 認知症への抵抗力をつける第1は毎日の運動でした。週3日以上、一回30分以上の運動が効くといいます。私たちの調査では、運動の人気の上位3種目はストレッチ、テレビ・ラジオ体操、ゴルフでした。これに水泳、ダンスが続きます。楽しみながら続けるのがコツです。
 
 抵抗力をつける第2は頭を使うことでした。頭を使っているかどうかは、日常生活の余暇の過ごし方で決まります。日頃から新聞、雑誌をよく読んでいると何もしないで過ごしている人に比べてアルツハイマー病になる割合は半分に減ります。さらにチェスなどの盤ゲームをする人は何もしない人に比べてアルツハイマー病の発症の割合は4分の1に下がるのです、驚くほどの効果ですね。日本では囲碁、将棋、麻雀に相当します。

 抵抗力をつける第3は食事です。まずは食べ過ぎないこと。カロリーのとりすぎはメタボだけでなく認知症のリスクなのです。肉より魚中心の食生活も大事です。魚の脂、DHAやEPAがアルツハイマー病から脳を守ります。こうみてくると、検診でみつかった不思議な現象も納得です。
【第7回】「ぼけない人々」
須貝佑一・プロフィール

1980年京都府立医科大卒。川崎市立病院、国立精神、神経センター
を経て浴風会病院精神科へ。2001年から認知症介護研究、研修東京センター
研究部長、副センター長を兼任し、現在は運営委員。元朝日新聞記者。