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【第10回】早い段階から「老後リテラシー」を高めよう


ライター 越膳綾子


 厚生労働白書(平成27年)によると、生涯未婚率は男性24.2%、女性14.9%にのぼります。また、高齢者世帯のうち、およそ4人に1人が一人暮らしです(平成26年版高齢社会白書)。いわゆる「おひとりさま」の状態で老後を迎えることは決して珍しくありません。

 私が取材で出会った複数の医療・福祉関係者によると、高齢者の不安は「お金・健康・孤独」に集約されるとのことでした。一人ならばなお不安なことは、想像に難くありません。51歳まで独身だったある男性は「身体が動かなくなった時、誰が身の回りの世話をするのか心配だった」と話します。

 では、家族がいれば安心かというと、そうでもないようです。高齢者の取材時に「子どもの世話になりたくない」という声はあまりにもよく聞ききます。嫁時代に姑にされて辛かったことを繰り返したくない、という女性は何人も会いました。子どもと同居していたのに「介護ができないから」と、不本意ながら施設に入れられた人もいます。そもそも、頼りたいと思っても、子ども世代は低賃金・長時間労働が常態化し、共働きが当たり前。かつてのような家族介護は期待できません。家族がいてもいなくても老後の不安は解消されず、という時代が訪れています。

 そうした状況を社会福祉が支えられればいいのですが、こちらも厳しいと言わざるを得ません。介護保険は、軽度者へのサービスや生活援助がどんどん削減されています。医療についても同様です。75歳以上の窓口負担は1割から2割へ。これまで減免されていた75歳以上の高額療養費制度の上限引き上げなど、負担増の方向で検討されています。

 よほどの金持ち、人持ち以外が安心するには、どうしたらいいか。とっかかりとしては“老後リテラシー”を高めることが現実的ではないかと思います。 
 例えば、認知症になっても安心して暮らせる地域かどうかを調べること。北海道釧路市、静岡県富士宮市などが有名ですが、地域によっては認知症の人を見守るネットワークが組織されています。認知症の人が行方不明になった時、住民や地元商店の人達が探したり、声を掛けたりする態勢ができているのです。こうした地域は、えてして住民交流の機会も多いようで、一人暮らしの寂しさが少なくなることも期待できます。市区町村役場に問い合わせると、ネットワークの有無を教えてもらえます。
 最期のあり方を重視する人、とりわけ「最期まで家で」と希望している人は、訪問看護や訪問診療の充実ぶりを調べておく必要があります。制度上はどの地域でも受けられることになっていますが、在宅での看取りに力を入れている介護事業者、医師はそれほど多くありません。自分の住む地域にそうした人達がいるか、早めに確認しておきたいものです。こちらも、まずは市区町村役場に問合せを。
 また、入院時の身元保証や死後の埋葬などが心配なら、「きずなの会」などの民間のサービスが選択肢になるでしょう。

 老後の不安を漠然としたまま抱えず、老後リテラシーを高めて対処法を探ること。そうすれば、地域交流に参加しておく、自分の望む医療を受けられる地域に転居しておくなど、早い段階からできることが見えてくるはずです。
【第10回】早い段階から「老後リテラシー」を高めよう
越膳綾子
2001年編集プロダクション「エディ・ワン」入社。2012年よりフリーライター。医療・介護分野を中心に取材執筆を行っている。